窓ガラスの熱割れに注意|原因・対処法・費用までわかりやすく解説

近年の猛暑により、「窓ガラスが突然割れた」という方も多くいらっしゃいます。
特に、直射日光が当たりやすい窓や古いガラスは、熱割れのリスクが高まる傾向です。
この記事では、窓ガラスの熱割れが起こる原因や放置によるリスク、修理・交換にかかる費用の目安などを詳しく解説します。
窓ガラスの「熱割れ」とは

熱割れとは、日射による温度差が原因でガラスにひびが入る現象です。
特に夏場の強い直射日光を受ける窓ガラスで、この現象が起こりやすくなります。
日射が直接当たるガラス部分は太陽の熱を吸収して高温になり、わずかに膨張します。
一方、ガラスの端や枠の近くは、サッシに囲まれているため熱がこもりにくく、比較的温度が上がりにくい状態です。
ガラスの中心部と周辺部で温度差が生じると、熱で膨張しようとする部分が、動かない周辺部に押さえつけられる形になります。
このとき、ガラス内部に「引っ張られる力(=引張応力)」が生まれ、その力が一定以上になると、ガラスの端からパキッと割れてしまうのが熱割れです。
窓ガラスが熱割れする主な原因

窓ガラスの熱割れは、いくつかの要因が重なることで発生します。
熱割れが起こりやすくなる主な原因について解説します。
室内外の温度差
先ほどもお伝えしたように、熱割れの大きな原因はガラスの「温度差」です。
特に日当たりの良い窓やエアコンの室外機から出る熱風を直接受ける窓は、室内との温度差が大きくなり、熱割れするリスクが高まります。
窓ガラスの室内側が冷房の風を直接受けて冷える夏場は要注意です。
熱線吸収・反射ガラスや網入りガラスの特徴
熱線吸収ガラスや熱線反射ガラスは、暑さの原因となる太陽光に含まれる電磁波を吸収して熱の透過率を抑えたガラスです。
日射エネルギーを吸収・反射する機能を持つため、一般的な透明ガラスよりも温度が上昇しやすく、熱割れのリスクが高まります。
また、網入りガラスは、内部に金属ワイヤーが入っていることでガラスとワイヤーの膨張率が異なり、熱の影響を受けやすくなります。
ワイヤー自体が熱で膨張すると、ガラスだけでは吸収しきれず割れやすくなるのが特徴です。
ガラスの経年劣化
ガラスは10年〜15年経つと紫外線や日光による「目に見えない劣化」が進み、本来持っていた強度を徐々に失っていきます。
小さな傷がつきやすくなったり、温度差への耐性も下がるため、熱割れが発生しやすくなります。
家の立地やガラスの設置状況による違い
以下のような環境によって熱割れのリスクが高まります。
- ・窓の近くに家具や遮光カーテン、ブラインドがある
- ・サッシやコンクリートにガラスが直接接している
- ・フィルム・シールを貼った窓
断熱・遮熱フィルムはガラスの温度上昇や下降の速度を緩やかにする一方で、ガラスが高温になる環境や貼りムラがある場合には、断熱フィルムがかえって温度差を助長し熱割れのリスクを高めることがあります。
断熱・遮熱フィルムは貼り方やガラスの種類、設置環境などを考慮した上で正しく使用することが重要です。
断熱シートの正しい貼り方や効果についてはこちらの記事でも紹介しています。
〈関連記事〉窓の断熱シートの効果とは|さらに有効な方法も紹介
熱割れの見分け方|こんな割れ方をしていたら要注意

窓ガラスのひび割れには、熱による「熱割れ」と、物がぶつかることによる「衝撃割れ」があります。
それぞれ割れ方に特徴があるため、見た目からおおよその判断が可能です。
衝撃割れの場合、割れた箇所を中心にヒビが放射状に広がり、クモの巣のような形になるのが一般的です。
割れの中心には、物が当たった痕が残っていることもあります。
一方、熱割れはガラスの端やサッシ付近からスジ状にヒビが入り、まっすぐまたは緩やかに曲がりながら伸びていくのが特徴です。
ヒビの数は1本だけのこともあれば、複数本入ることもあります。
放射状には広がらないため、見た目で区別がつきやすい割れ方です。
また、サッシの近くにごく細いヒビが入っている場合は、熱割れの初期症状である可能性があります。
初期のうちに対処すれば被害の拡大を防げますので、気づいた時点で専門業者へ相談しましょう。
窓ガラスにひび割れを見つけた方はお気軽にアキバG&Rにご相談ください。
窓ガラスの熱割れを放置した場合のリスク

窓ガラスの熱割れは、ヒビが小さいうちは見過ごされがちですが、放置しておくと以下のようなリスクが生じる可能性があります。
- ・ヒビが広がる
- ・ガラスの落下や二次災害の危険性
- ・結露や断熱性能の低下
- ・建物内部への影響
- ・防犯性の低下
早期に対処することで、安全性を確保し、無駄な修繕費を防ぐことができます。
窓ガラスが熱割れしたときの対処法

窓ガラスが熱割れを起こした際は、見た目が大きく割れていなくても注意が必要です。
誤った対応をするとケガや二次被害につながる恐れもあるため、以下の点を押さえておきましょう。
応急処置の方法
ヒビが入っている場合は、それ以上の破損を防ぐために、ガラスの割れた部分に養生テープやガムテープを十字に貼るといった簡易的な補強が効果的です。
室内側に段ボールや厚手の布を立てかけておくと、安全性が高まります。
ただし、あくまで応急処置であり、長期間の放置は避けましょう。
専門業者への早めの連絡が重要
ガラスのひび割れは時間の経過とともに広がることがあるため、できるだけ早くガラス専門のリフォーム業者や修理業者に相談することが重要です。
また、熱割れはガラス単体の問題だけでなく、サッシの劣化やシーリング材の劣化、断熱不良が背景にあることが多いです。
築20年以上の住宅ではサッシ枠の寿命も近づいているため、ガラス交換時にサッシやシーリングの状態も点検・必要に応じて交換を検討すると、断熱性能の向上や再発防止につながります。
窓ガラスに熱割れを起こした際は、お気軽にアキバG&Rにお問い合わせください。
熱割れガラスの修理・交換費用の目安

熱割れした窓ガラスの修理・交換費用は、ガラスの種類や大きさ、施工範囲によって大きく変わります。
熱割れした窓ガラスの交換費用の目安は以下のとおりです。
ガラス種類(90cm×180cmの場合) | ガラスの交換費用の目安 |
---|---|
単板ガラス(透明) | 約10,000円〜約20,000円 |
網入りガラス | 約20,000円〜約30,000円 |
複層ガラス(ペアガラス) | 約25,000円〜約40,000円 |
※上記はあくまでも目安です。現場状況・工法・地域・業者により差があります。
サッシ交換や窓枠ごとのリフォームは、さらに費用が高額になることがあります。
また、工事費や廃棄費、出張費が別途かかる場合も多いため、見積時は総額をしっかり確認しましょう。
窓ガラスの熱割れを防ぐための予防対策

熱割れは物理的な現象であり、完全に防ぐのは難しいとされていますが、リスクを軽減する方法はあります。
以下のような対策を取り入れてみましょう。
- ・強化ガラスやLow-E複層ガラスに交換する
- ・内窓(二重窓)を設ける
- ・屋外に庇(ひさし)やシェード、すだれをつけて日射を遮る
日差しの強い季節や寒暖差が大きくなる時期は、特に熱割れが発生しやすくなります。
ガラスや窓まわりの環境を見直し、事前に熱割れを防ぎましょう。
内窓のメリット・デメリットについてはこちらの記事でも紹介しています。
〈関連記事〉内窓で断熱効果を最大化!メリット・デメリットから施工のポイントまで徹底解説
窓ガラスの熱割れに関するよくある質問

最後に、窓ガラスの熱割れに関するよくある質問に回答します。
ガラスの熱割れは冬にも起こりますか?
熱割れは冬にも発生することがあります。
冬場は外気温が低く、室内で暖房を使うことでガラスの内側と外側に大きな温度差が生じやすくなります。
断熱性の高いガラスを選んだり、室内側の温度上昇を緩やかにする工夫を取り入れることが大切です。
ガラスの交換費用に補助金は活用できますか?
補助金の対象となるかは製品グレード・工法によって異なります。
2025年現時点で利用できる主な補助金制度は以下のとおりです。
- ・先進的窓リノベ2025年事業:最大200万円/戸(工事費用の1/2相当、5万円〜200万円)の補助
- ・子育てグリーン住宅支援事業:内容に応じて上限40万〜60万円の補助
- ・その他自治体独自の補助金・助成制度
補助金利用には登録業者が対象製品で施工する必要があり、施主による個人申請ができない場合がほとんどなので、見積や問い合わせ時に必ず補助金申請に対応できるか業者へ確認しましょう。
地方自治体独自の制度は自治体窓口や公式サイト、施工業者などに相談して最新情報を調べておくのがおすすめです。
〈参照〉
補助金でお得に窓ガラスの交換を検討している方は、こちらの記事も参考にしてください。
〈関連記事〉最大200万円!先進的窓リノベ2025事業と子育てグリーン住宅支援事業のご紹介【補助金でお得に窓・玄関ドアリフォーム】
熱割れのガラスの交換費用は火災保険の適用になりますか?
窓ガラスの「熱割れ」による交換費用が火災保険で補償されるかどうかは、契約内容や損害原因の認定によって異なります。
一般的に、火災保険では「不測かつ突発的な事故補償」や「破損・汚損補償」が付帯している場合があり、その場合は熱割れも「予測不能な突発的事故」とみなされて補償の対象になることがあります。
ただし、免責金額(自己負担額)が設定されている場合、損害額がそれ以下では保険金が出ません。
また、保険会社によっては熱割れが対象外となる場合もあるので、契約内容や適用有無は必ず事前に確認しましょう。
まとめ
窓ガラスの熱割れは、小さなヒビでも放置すると破損が広がり、ケガや断熱性能の低下につながる恐れがあります。
見た目に異常がなくても、内部では進行しているケースもあるため注意が必要です。
安全で快適な住まいを守るためにも、早めの修理・交換が重要です。
「もしかして熱割れかも」と思ったら、無理に触らず専門業者へ相談しましょう。
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