玄関のスマートキーで後悔しないための対策|よくある失敗と危険性を解説

玄関のスマートキーは利便性や防犯性を高める人気のリフォームですが、導入後に「後悔した」という声も少なくありません。
「電池切れで玄関が開かない」「想像以上にコストがかかった」「スマートフォンを落としてしまった」など、日常生活に直結するトラブルが原因になることもあります。
また、便利さの一方で「リレーアタック」などの新しい犯罪手口による危険性も指摘されており、正しい知識と対策を理解してから導入することが重要です。
この記事では、玄関のスマートキーでよくある後悔ポイントと危険性を整理し、安心して導入するための具体的な対策をわかりやすく解説します。
玄関のスマートキーでよくある後悔ポイント

玄関ドアに取り付けるスマートキーは、電気の力で施錠や解錠を行うシステムで、メーカーによって「スマートロック」「電子キー」「電気錠」などさまざまな名称で呼ばれています。
代表的なタイプには以下のようなものがあります。
- ・リモコンキー
- ・カードキー
- ・タグキー
- ・スマートフォンのアプリ操作
- ・テンキー(暗証番号入力)
- ・生体認証キー(指紋認証や顔認証など)
それぞれ便利な特徴がありますが、実際にはトラブルや使い勝手の違いから「後悔した」と感じることも少なくありません。
具体的によくある後悔ポイントを解説していきます。
電池切れや磁気不良などで開閉できなくなる
スマートキーは便利な一方で、スマートキーは電源やシステムに依存するため、電池切れや磁気不良、停電時などに作動しなくなることがあります。
特に夜間に起きると大きなストレスになるため、非常用のキーや残量表示機能の有無を事前に確認しておくことが大切です。
スマートフォンの紛失・通信障害で開けられない
スマートフォン連動型の場合、端末を紛失したり、アプリが通信障害で反応しなかったりすると解錠できません。
また、帰宅時にスマートフォンのバッテリーが切れていて解錠できないなども後悔するポイントです。
物理キーを持ち歩く必要がある
「鍵を持ち歩かなくてもいい」と思って導入しても、災害や不具合に備えて物理キーを携帯する必要があります。
完全にキー不要にはできない点にギャップを感じる人もいます。
導入コストが高い・操作が複雑
スマートキーは通常のシリンダー交換よりも費用が高く、本体代に加えて設置工事費もかかります。
「想定よりも出費が大きい」と感じる方も少なくありません。
また、高齢者や機械操作に不慣れな家族がいる場合、スマートキーの操作が難しく、かえって不便に感じさせてしまうことがあります。
玄関スマートキーに潜む危険性

スマートキーは従来の鍵に比べてピッキングに強いという利点がありますが、その一方で、電波を悪用した不正解錠など、新しい手口による危険性も存在します。
便利さだけに注目すると見落としがちなリスクを、あらかじめ知っておくことが大切です。
リレーアタックによる不正解錠のリスク
スマートキーの電波を中継して解錠させる「リレーアタック」という手口があります。
ただし、玄関ドアに設置されているスマートキーはドアから3m程度の範囲でしかリモコン操作できないため、空き巣犯がずっと玄関近くで待機していない限りリレーアタックのリスクは少ないです。
暗証番号型の覗き見や盗撮のリスク
暗証番号を入力するタイプは、他人に番号を覗き見されたり、監視カメラやスマートフォンで入力動作を盗撮されたりするリスクがあります。
一度番号が知られてしまうと、誰でも解錠できる状態になってしまうため、定期的な番号変更やランダム入力機能の活用が必要です。
ハッキングやシステム障害への懸念
スマートフォンやネットワークと連動するタイプは、ハッキングや不具合による影響を受ける可能性もあります。
Bluetooth(ブルートゥース)で施錠解錠信号を送受信するタイミングと、クラウド上で個別情報を管理するタイミングでハッキングのおそれがあります。
しかし、主要メーカーのスマートキーは解錠時の信号が毎回変わるように設定されているため、データの悪用などの心配はありません。
スマートキーの防犯性については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
〈関連記事〉スマートキーの玄関ドアは空き巣に狙われる?防犯対策として実は最強
玄関のスマートキーで後悔・危険性を防ぐための対策と選び方

ここまでは、スマートキーの後悔ポイントや危険性について解説してきました。
しかし、導入前に事前の対策を講じておけばトラブルやリスクを大幅に減らすことができます。
ここでは、後悔しないために押さえておきたい具体的な対策と選び方を紹介します。
緊急時に備えたバックアップの工夫
スマートキーは便利ですが、電池切れや不具合で作動しなくなる可能性があります。
たとえば、スマートフォンだけでなくカードキーやタグキー、リモコンなどと合わせて複数のアイテムを組み合わせて登録できるものもあります。
万が一に備えて対策しておくことが大切です。
アプリは二段階認証と定期更新で安全性を確保
スマートフォン連動型を利用する場合は、二段階認証を設定して不正アクセスを防止しましょう。
また、アプリや本体のソフトウェアを定期的にアップデートしておくことも大切です。
常に最新の状態を維持することで、スマートキーの安全性を最大限に高めることができます。
リレーアタック対策には電波遮断ポーチがおすすめ
スマートキーの電波を悪用するリレーアタックには、電波を遮断できる専用ポーチの利用が有効です。
これはスマートキーから発信される電波を遮断し、外部からの電波中継を防ぐものです。
普段はポーチに入れておくだけで対策ができ、数千円程度と手軽に導入できるのでおすすめです。
家族全員が使いやすいものを選ぶ
スマートキーの種類によっては、操作が複雑で高齢者や小さなお子さまには使いにくい場合があります。
導入前に実際の操作感を確認し、家族全員がスムーズに使えるかどうかを基準に選ぶことが大切です。
また、万が一に備えてエラーで開けられない時の対処方法を家族で確認しておきましょう。
予算とのバランスを考える
スマートキーは本体価格に加えて設置工事費も発生するため、従来の鍵交換よりコストが高くなります。
便利さや防犯性の向上をどこまで重視するかを考え、予算とのバランスを踏まえて検討しましょう。
信頼できるリフォーム業者に相談する
製品の種類や設置方法は多岐にわたるため、自己判断だけでは最適な選択が難しい場合があります。
防犯リフォームの実績が豊富で、アフターフォローや保証期間が明確な業者に相談するのがおすすめです。
専門家の視点から、自宅の環境やライフスタイルに合ったリフォームを提案してもらえます。
玄関のスマートキーと合わせて検討したい防犯対策

スマートキーは便利で防犯性も高い設備ですが、これだけで住まい全体の安全が確保できるわけではありません。
侵入者は窓や周辺環境の弱点を狙うことも多いため、複数の防犯対策を組み合わせて総合的に備えることが大切です。
たとえば、以下のような対策を併用するとより効果的です。
- ・防犯ガラスや防犯フィルムの導入
- ・防犯カメラやセンサーライトを設置する
- ・補助錠を設置する
玄関の防犯対策については、こちらの記事でも解説しています。
〈関連記事〉玄関ドアの防犯対策|ガラス破りを防ぐフィルム・防犯ガラス・最新ドアの選び方
玄関ドアのスマートキーに関するよくある質問

最後に、スマートキー付き玄関ドアへのリフォームに際してよく寄せられる質問に回答します。
スマートキー付き玄関ドアにリフォームする際の費用はいくらですか?
スマートキー付きの玄関ドアへのリフォーム費用は、製品のグレードやデザイン、工事内容によって変動します。
一般的には、20万円〜40万円前後が目安とされています。
既存のドアの状態や壁の補修の有無によっては、追加工事費が発生することがあるため、正確な費用を把握するには、事前の現地調査や見積もりを依頼しましょう。
また、玄関ドアのリフォームには補助金制度が利用できる場合があるため、事前に自治体や国の制度を確認しておきましょう。
詳しくはこちらの記事で確認できます。
〈関連記事〉最大200万円!先進的窓リノベ2025事業と子育てグリーン住宅支援事業のご紹介【補助金でお得に窓・玄関ドアリフォーム】
既存の玄関ドアにもスマートキーを後付けできますか
既存の玄関ドアにもスマートキーを後付けすることは可能です。
ただし、ドアの種類や鍵の形状によって対応できる製品が異なるため、事前の確認が必要です。
後付けタイプのスマートキーは、既存のシリンダーを活かして取り付けられるものが多く、比較的短時間の工事で導入できます。
一方で、ドア全体が古く劣化している場合は、スマートキーの性能を十分に発揮できないこともあるため、玄関ドア自体の交換と合わせて検討するのがおすすめです。
自宅のドアにどの方法が適しているかを判断するには、施工経験のあるリフォーム業者に相談しましょう。
まとめ|玄関のスマートキーはリスクを理解して導入すれば後悔しない
玄関のスマートキーで後悔する多くのケースは、導入前にデメリットや危険性を十分に把握していなかったことが原因です。
事前にリスクを理解し、適切な対策を講じれば、便利さと防犯性を両立させることができます。
安心して使い続けるためには信頼できる業者に相談し、自宅に合った玄関のスマートキーを選びましょう。