玄関ドアに断熱性能は必要?人気シリーズも紹介

新しい玄関ドアを選ぶ際には色・デザインや予算で選ぶ方が多いのではないでしょうか。しかし、玄関ドアは商品によってドアの性能に差があることをご存知ですか?実は玄関ドアの性能を高くするだけでより快適に家で過ごすことが出来るようになるのです。

今回はドアの性能の中でも断熱性能について取り上げます。玄関ドアの断熱性能についてぜひ考えてみましょう。

玄関ドアの断熱性能の重要性

家を新築する際、または購入する際に家の断熱性能について説明を受けたことはないでしょうか。もしかすると暖かい家が良いから断熱性能にこだわって家づくりを行なった方もいるかもしれません。通常、家の断熱性能を上げる際には壁の断熱材の量や質を高めることが多いのですが、実は玄関ドアの断熱性能も家の断熱性能を上げる上で重要なのです。

上の図は家の熱がどこから外に逃げていくかを表した図ですが、見て分かるように玄関ドアや窓から52%もの熱が逃げていっています。ということは玄関ドアや窓の断熱性能を上げるとそれだけでこの逃げていく熱を逃さないようにすることができるのです。

ヒートショック現象

玄関ドアの断熱性能を高めるのは快適に過ごすためだけではなく、高齢者の命の危険のリスクも軽減します。それはヒートショック現象を防ぐということです。

ヒートショック現象とは家の中での部屋の温度差によって生まれる現象です。暖かい部屋から急激に寒い部屋に移動すると血管が収縮して血圧が急激に上がります。逆に寒い部屋から急激に暖かい部屋に移動すると血管が拡張して血圧が急激に下がります。この血圧の変化に体が耐えきれず、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしてしまうのです。特に高齢者に多い現象と言えるでしょう。

ヒートショック現象は浴室やトイレ、洗面所、玄関が起こりやすい場所です。。玄関が寒いと部屋の温度差が大きくなってしまうので、外から帰ってきたときや寝室から居間やトイレまで玄関を通るときにヒートショック現象が起こりやすいです。。高齢者がいる家庭では玄関を暖かく保っておくことは非常に重要なのです。

玄関ドアの断熱性能を高めるためには?

玄関ドアの断熱性能を高めるためにはどのような工夫を行えば良いのでしょうか?高断熱玄関ドアの性能を比較する際にも役立つのでチェックしておきましょう。

玄関ドアの中に断熱材を入れる

壁や屋根は基本的に外壁と内壁の間に断熱材を入れることで、断熱性能を高めています。玄関ドアも同じように断熱材を入れると断熱性能を上げることができるのです。断熱材は素材と厚さによって性能に差が出ます。気になる方は断熱材の種類と厚さをチェックしてみましょう。

玄関ドアの素材を変える

玄関ドアの素材としては金属(アルミ、ステンレスなど)を使用するのが一般的ですが、木製のドアを使用するとそれだけで断熱性能を上げることができます。木材はその素材そのものに断熱性を持っているからです。

また、玄関ドアの素材を変えなくても厚くすると外気や風を遮断できるため、断熱性能を上げることができます。しかし、その分玄関ドアが重くなるので操作性とバランスを取りながら選んでください。

玄関ドアのガラスを複層ガラスにする

玄関ドアにはデザインとしてガラスを採用していることが多くあります。特に引き戸の場合はガラスのスペースが大きいデザインのドアが多いです。この玄関ドアに使用しているガラスを工夫すると玄関ドアの断熱性能を上げることができます。

通常は一枚のガラスのみですが、複層ガラスと言って2枚のガラスを組み合わせたガラスを使用すると空気の層が出来るので、外気と内側の空気のクッションになってくれます。そうすることで玄関を暖かく保つことが出来るのです。

高断熱玄関ドアの人気シリーズを紹介

LIXIL グランデル2

LIIXILが展開する高断熱玄関ドアシリーズが「グランデル2」。スタンダード仕様でドア厚60mmに高性能の断熱パネルを採用しています。一般的にドア厚40mm〜高断熱ドアと呼ばれることを考えるとかなりの厚さです。

ドア枠はサーマルブレイク構造を採用することで隙間風などもしっかりと防いでいます。さらにLow-E複層ガラスでガラス面からも外気をシャットダウンしているのです。

ハイグレード仕様になるとさらに性能がアップします。ドア部分だけではなく、ドア枠にも断熱材を使用。ガラスは複層ガラスのさらに上位であるトリプルガラスを採用しており徹底的に断熱にこだわっている玄関ドアなのです。

YKKAP イノベスト D70 D50

YKKAPからは高断熱玄関ドアシリーズとして「イノベスト」があります。イノベストにはデザインバリエーションが豊富にありデザインと性能の希望をどちらも叶える「D50」と高断熱性能に特化した「D70」の2種類を発表しています。

D50で扉厚70mm、D70に至っては扉厚82mmという厚さを実現して断熱パネルを隙間なく埋めることで高い断熱性能を発揮します。ガラス部分もトリプルガラスを採用しているので、採光を取りながら外気の風は通しません。

D70になると高耐候天然木を使用することで素材も断熱性能を高めています。ドア枠も樹脂複合枠を使用して熱が伝わりにくくしており、玄関ドアの部材全てに断熱性能を高める工夫を施しているのです。

高断熱玄関ドアの費用相場は?

高断熱玄関ドアが有用であることを理解できても、価格が高価過ぎると予算オーバーになってしまいます。高断熱玄関ドアの費用相場はどの程度なのでしょうか?

高断熱玄関ドアはやはり通常の玄関ドアよりも高価になります。まずは先ほど紹介した玄関ドアシリーズの価格帯をご紹介します。

グランデル2 ハイグレード仕様:700,000円〜

       スタンダード仕様:354,000円〜

イノベスト D70:700,000円〜

      D50:380,000円〜

一般的な玄関ドアは10万円〜35万円ほどとなっているので、かなり高価と思う方も多いかもしれません。

しかし、ここまでハイグレードなタイプでなくとも、各商品に断熱仕様タイプというものがあることが多いです。この場合は通常の玄関ドアの価格に+5~10万円というのが相場となっています。

予算を抑えて断熱性能を高めたい場合にはお気に入りのドアを見つけた上で断熱仕様タイプがないか探してみてください。

まとめ

今回は玄関ドアの断熱性能についてご紹介しました。

玄関を暖かく保つのは快適に過ごすだけではなく、命の危険のリスクを軽減したり、光熱費を節約できたりとメリットがたくさんあります。ぜひ性能も考えた上で玄関ドアを選んでみてください。